空前の賃上げも懸念される「人件費」値上げ…美容費や家賃も対象に
そんな家賃が前年同月よりも0.2%上昇しています。これは24年ぶりのことなんです」(酒井さん)
実は家賃は明確な要因で上がるというよりも、モノの価格が上がっているという“空気感”によって、引き上げられるのだという。
「家賃の値上げは、すべての物価が上がるのが当たり前の世界に入ったことを意味するシグナルでもあるのです」(酒井さん)
今後の値上げは、家計にどのような影響を与えるのだろうか?
「賃上げの影響、物流コストの増加、円安の長期化などを考えると2024年度の1世帯当たりの支出負担増はプラス10万円以上になると見込んでいます。物価高が人々の暮らしの重しになっていくことでしょう」(酒井さん)
最後に丸山さんがこう語る。
「価格が比較的安定しているお米を中心に旬の野菜、まだ価格が抑えられている納豆、豆腐、厚揚げなど、栄養バランスを最優先に考えて、お財布と相談しながら自衛策を講じていくことです」
年金生活者や零細企業の社員とその家族……。賃上げの恩恵の届かない家庭にとっては厳しい新年度となりそうだ。