「免許返納を後悔」全国に拡大する“路線バス廃止”に住民悲鳴!都市部でも続出「自分が買い物難民になるとは」
(吉田教授)
全国の路線バス運転士の平均収入は、賞与も含めて398万7千100円(令和4年賃金構造基本統計調査)。一般的なサラリーマンの平均年収458万円(令和4年分民間給与実態統計調査)よりも、60万円も安いのだ。
彼らの給与の原資となるのが、バス運賃だが……。「じつは、路線バスの運賃というのは平成の30年間、ほとんど値上げをしてこなかった」と吉田教授は言う。
「その間もICカード対応や、低床車両導入によるバリアフリー化など、バスそのものやサービスは高度化してきました。つまり、運賃は据え置かれたまま、燃料費も含めたコストだけが膨らみ続けてきた現状があるのです」(吉田教授)
■減便や廃止を食い止めるべく行政も糸口を模索
「乗りたい時間に、乗りたい系統のバスがぜんぜん来ない。減便を知らず、バス停で長時間待たされた」
こう嘆くのは、横浜市在住の60代女性。今年4月、1カ月間に2度もダイヤ改正するという異例の事態で減便を発表した横浜市営バスの利用者だ。
いっぽう、「バスをあてにして免許を返納してしまった」とこぼすのは、千葉市に住む70代の女性。彼女はやはり大幅減便に踏み切った小湊鉄道バスを利用しているが……。