遺族年金制度の男女差を見直す方向で検討 女性の支給条件が厳しくなる恐れも
年に1度、公的年金の財政をチェックする「年金財政検証」がいま、行われています。論点の一つが「遺族年金」です。
遺族年金は、家計を支える方の死後に配偶者や子どもなどがもらえる年金です。重要なセーフティネットですが、4月ごろ「遺族年金廃止か」とSNSで騒がれました。
「廃止」はもちろんデマです。いま実際に議論されているのは、遺族厚生年金の男女差についてです。
そもそも遺族年金は、遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。
遺族基礎年金は、公的年金に加入する方すべてに受給資格があり、配偶者が亡くなったとき18歳未満の子がいれば受け取れます。
受給額は子どもの人数によりますが、18歳未満の子が2人の場合は月約10万7千円。子どもが18歳を超えるまでもらえます。
いっぽう遺族厚生年金は、厚生年金の加入者などが亡くなった際、受け取れるもの。18歳未満の子どもがいない配偶者も受け取れる点が、遺族基礎年金と違います。それだけ遺族厚生年金は保障が手厚いのですが、遺族が女性か男性かで受給条件が大きく違います。
遺族が夫を亡くした妻の場合、妻が30歳以上なら子の有無にかかわらず生涯、遺族厚生年金を受け取れます。