【「父の日」秘話】檀ふみ 作家父の没後48年で“文学碑”が建立された意外すぎる理由
最近、亡き父についてのエッセイを書いた檀ふみ
《何のその百年後は塵芥(チリアクタ)檀一雄》
東京都内に、こんな句が刻まれた御影石の文学碑が建てられたのは今年春のことだったという。檀一雄は“最後の無頼派作家”とも呼ばれ、長編小説『火宅の人』は1986年に映画化されている。
「女優でエッセイストの檀ふみさん(70)やエッセイストの檀太郎さん(80)のお父さんとしても知られています。料理にも造詣が深く、エッセイ『檀流クッキング』はロングセラーになっています。
それにしても檀一雄さんが逝去したのが1976年。すでに故郷の福岡県柳川市や、ゆかりの地の福岡市能古島にも文学碑があります。没後48年たっての文学碑建立は非常に珍しいケースだと思います」(出版関係者)
このタイミングでの建立の理由について区の土木課に取材するとーー。
「文学碑の建立については、檀さんのご家族とご相談して、ようやく実現したものです。
道路用地を取得した後、昨年に道路工事が終了し、文学碑は今年3月に完成しました」(土木課の担当者)
この区では、2006年に道路建設計画が議会で認可され、檀ふみの生家の一部もその建設予定地に入っていたという背景がある。