「早く免許を返すように…」池袋暴走事故の遺族夫が明かす「飯塚受刑者(93)からの懺悔」
だから、なんとか有罪にしてほしい、と心を鬼にして闘ったんです。
私は怒るのが苦手で、真菜と莉子にも怒った姿を見せたことがなかった。だから、そんな自分の姿を見せるのがいやで、ふたりの仏前で泣きながら謝ったほどです」
そんな松永さんの心境に変化が生じたのは、飯塚受刑者に禁錮5年の刑が確定したときだった。
「私はあのとき、刑を言い渡される彼の横顔を間近で見ながら、とってもむなしかった。
実刑が下ってうれしいどころか、むなしくて涙があふれた。
なぜ、加害者と被害者として互いに苦しみながら、こんなところにいるんだろう。なんとか事故を防げなかったのか、と」
ここから松永さんは、同じような被害者、加害者を生み出さない活動に、いっそうまい進し始める。
さらに今年2月、飯塚受刑者から謝罪の手紙を受け取ったことで、その思いはより強まった。
「彼からの手紙には、〈これ以上時間が経ってしまうと文字を書けなくなりそうだから、その前に遺族の皆様に謝罪したい〉と記されていました。
文面から彼の反省と後悔の念が伝わってきたんです」
松永さんは、これを読み「彼の反省と後悔の気持ちを、私の中だけでとどめておいてはいけない。