「在宅ホスピス医」の第一人者が患者さんに伝えていることとは
そして、誰かが1日最低1回は自宅を訪問しますし、緊急時にはすぐに駆けつけられるよう、医師と看護師が24時間体制で待機しています。他人が家の出入りをすることに理解をしてくだされば、お子さんたちが離れて暮らしていても看取ることができますよ」
「在宅死」を選択してから来院するのは10人に1人ほど。ほとんどの人は混乱の中、もがきながら決断するという。悩みも「まだできる治療があるのではないか」「治療費がかかりすぎてもうお金がない」など、病院から自宅に戻る不安はさまざまだ。川越先生はこう語る。
「いちばんお伝えしたいのは、末期の場合は『お迎え』が来るまでの時間がとても短いということです。つまり、そんなに大きなお金はかからない。『先が短いことを念頭に置いて、これからの生活設計を立てましょう』と伝えています」
治療方針をめぐって家族の中で意見の対立を起こさないためにも、元気なうちに「どんな最期を迎えたいか」を聞いておき、穏やかに過ごす看取りプランを立てておこう。
「がんの患者さんは最期が近づくまでお元気な方が多い。痛みを和らげる治療を施せば、やりたいことが最期までできます。