カギは主婦目線…“パートから社長”になった女性の強み
その後、坂本さんは「IDC大塚家具」にパート社員として転職。そこでも“主婦力”が多いに生かせたという。
「私にはインテリアのプロとしての経験はまったくありませんでしたが、専業主婦として、生活者としての経験ならありました。リビングが散らかりやすいことを知っていたから、キャビネットを提案したり、洗濯物を持ったままでも開けやすいタンスを紹介したり、と生活者の視点から、お客さまの暮らしを快適にする提案ができたのです」
そうして、1日で3,200万円という驚異的な売り上げを記録。実績が認められてパートから正社員になり、やがて人材育成部門の管理職にまで上り詰めた。53歳のときに独立し、現在は人材育成会社を経営する坂本さん。主婦が働くことの大切さを聞いてみた。
「それまでは『女性は家にいるべきだ』という風潮があったのに、人手が足りなくなると『主婦も戦力だ』なんていって、働くことを勧め始める。
社会は女性に対して身勝手ですよね(笑)。たしかに仕事はキツいことばかりです。でも、自分のことだけでなく、まわりを喜ばせたり、幸せにしたりすることもできる。