「余命ゼロ」から14年生きたシェフ伝授する食習慣の極意10
「体の調子がよくないと感じる人には、『まず食生活を見直してください』と私は言いたいのです。人間の体はすべて、食べたり飲んだりしたものからできているのですから」
こう語るのは、著書『がんで余命ゼロと言われた私の死なない食事』(幻冬舎)が4万5,000部のヒットとなっている神尾哲男さん(65)。
神尾さんはフレンチのシェフとして修行を積み、順調にキャリアを重ねていた。しかし暴飲暴食がたたったのか、’03年、51歳のときに、前立腺がんと診断されてしまう。しかも、すでに骨とリンパに転移していることが判明。睾丸の摘出手術を受けた後、3年間ホルモン療法を続けたが、徐々に薬が効かなくなり、ついに医師から「打つ手なしの末期がん」と宣告を受ける。
このとき、神尾さんは病院と決別。料理人としての矜持から、「食で命のリセットをしよう」と決意したという。
職業柄、食材や栄養について知識が豊富だったこともあり、自らの“食”を見つめ直しながら徹底的に探求を開始。こうして、「余命ゼロ」宣告から14年経過したいまでも、がんとともに生き続けている。