当時と比べれば、キッチンの仕様も大きく変わり、以前より格段に掃除しやすくなったはずなのに、汚染度が高いという事実に驚きました。トイレは『不潔だから掃除しなければ』という意識になるのに、キッチンは『不衛生』と認識されていないのかもしれません。実際は菌がすみやすい場所なんですが……」(名取さん・以下同)
菌が増殖する3大条件は「温度」「湿度」「栄養」だ。
まず温度。菌は20度を境に活性化する。たとえば自然界に広く分布し、食中毒も起こす黄色ブドウ球菌の場合、15度で10個だったものが20度になると約100個と一気に10倍に!その後25度で約1万個、30度で約100万個と、すさまじい勢いで増えていくから恐ろしい(※いずれも12時間後)。
また、菌は湿度70%以上を好み、皮脂や角質なども含めたあらゆる有機物を栄養源としている。つまり常に水と熱を使い、人の皮脂だけでなく、食材や調味料と、栄養源がたっぷりあるキッチンは、菌の繁殖にうってつけの場所なのだ!
「すべての菌が病気に直結するものではありません。
ただし、菌が増殖しやすい環境であれば、当然、食中毒の原因となる菌も増える可能性があります」