福島県・大熊町長の土地に「31億円の町役場」のあきれた復興計画(上)
大熊はまだまだ放射線量が高いから帰れねえ。だから、いわき市内の復興公営住宅に入ることにしたんだ。新庁舎に大金を使うなら、(大熊町からの避難者が多い)いわきに老人ホームを建ててくれたほうがありがたい」(会津若松市に避難中の女性)
「町民に戻ってきてほしいなら、立派な役場を建てるより、まずは復興公営住宅が先ですよ。住むところもないのに、戻れません」(いわき市の復興公営住宅に入居している女性)
ところが、渡辺町長は先月23日、「18年度中に、この大川原地区の避難指示を解除し、新庁舎完成に合わせて町民の帰還を進める」と発表。大川原復興拠点を、人口1万人の大熊町民のうち1割の1千人と、他県から来る廃炉関係者2千人を合わせて約3千人が暮らす町にする想定だ。
町民1千人に対して31億円の新庁舎――。到底、その人口規模に見合っているとは言えない。そのうえ、建設予定地が町長自身の土地で、売買によって町長に土地代が転がりこむというなら問題だ。
そこで本誌は、新庁舎の建設予定地1万9,439平方メートルの登記簿を調べてみた。すると、なんと5割弱の8,756平方メートルが、渡辺町長の所有地であることが判明したのだ。