配偶者と死別した会員が語る「没イチの会」の様子とは
現在、「没イチの会」で幹事を務め、3〜4カ月に1回のペースで飲み会を開催。そこで死別した妻や夫の話だけではなく、それぞれが近況報告を楽しんでいるという。
「メンバーの中には、現在博士号を取るために大学のオープンカレッジに通う77歳の男性もいたりするんです。自分自身が刺激を受けることも多いですね。没イチの人たちが、どんどん前向きに生きている姿を見ると、暗くなっている暇などないなぁ、と」(池内さん)
11年前、13歳年上の夫・靖幸さん(享年62)を胃がんで亡くした、矢島元子さん(59)も、「没イチの会」に入って元気を取り戻した1人だ。
「夫が亡くなった当時、私は48歳。喪失感と共にこれからどう生きていこうかと、すべてをもぎ取られたような不安感に襲われ、自殺も考えました。数年間は何をやっても面白くない時期が続きましたね」(矢島さん)
矢島さんは、がんの遺族会のようなシンポジウムにも参加したが、悲しい話ばかりを共有する感じがして、前向きになれなかったという。
「数年後、このままではいけないと思い、積極的に趣味をやっていこうと考え、徐々にお茶の稽古などに通うようになりました」