96歳ピアニストが語る「人生100歳時代」を生ききるための知恵
と笑う。
「気持ち的には『年齢不詳』なので、食事も好きなときに好きなものを食べています。ただ、お肉はよく食べますね。これはドイツに行った際に、周りの人の体があまりに大きくて『この人たちと同等のエネルギーがないと、とても競争できない』と思って以来。わたし、『肉食女子』なのよ」(室井さん・以下同)
基本的には自炊だが、調理時間は30分以内がマイルール。
「そのぶん、ピアノの練習をしたいんですもの。お総菜を買うこともありますよ」
いっぽう、現役の演奏家ならではの「美意識の高さ」も。
「いまさらお化粧したって始まらないじゃない、と思いますけど」と言いながら、アイブローとアイラインを。
また、普段着という赤い花柄ニットに、ビーズのネックレスを合わせたコーディネート。クローゼットの中は、美しいドレスでいっぱいだ。
「素敵な音楽を演奏するんだから、着ているものもそれに見合うものじゃなくちゃ」
そして、なんといってもその輝きの秘訣は、いくつになっても挑戦し続けること。
大正生まれの女性が35歳にして海外に武者修行に出ることが、いかに特別なことだったかは想像に難くない。