娘の無実を晴らすため、西山令子さんは懸命のリハビリで言葉を取り戻す
看護助手をしていた美香さんが取調べ中に自白し逮捕された。美香さんは拘置所に入ってから一転、犯行を否認。獄中からの手紙で両親に訴え続けた。
《お父さんやお母さんが外で一生けんめい無罪をうったえてくれているので私もここで一生けんめいがんばります》
《私は自分が無罪でなにもやっていないことをまげようとは思っていません》
獄中から美香さんが両親に宛てた手紙には、両親への気遣いと、冤罪で自由を奪われた苦しい胸のうちが綴られていた。西山親子は、無罪を勝ち取るため、裁判・再審請求で負け続けてもあきらめなかった。
しかし、出所してもなお、西山親子の闘いは続く。昨年12月、裁判のやり直しを求める再審請求が大阪高裁で認められたが、検察が、これを不服として特別抗告。再審の行方は不透明だからだ。
美香さんの逮捕は、家族にとって地獄の始まりだった。
「美香が逮捕されたと聞いて、もう頭が真っ白になりました。まさか、信じられない。あの子は、そんなことできる子やないんです。どうやって助けたらいいのか。そればかり考えていました」