くらし情報『娘の無実を晴らすため、西山令子さんは懸命のリハビリで言葉を取り戻す』

娘の無実を晴らすため、西山令子さんは懸命のリハビリで言葉を取り戻す

 

「よく読めなかったんですけど。それを見たとき、生きててくれただけよかった。私も負けていられへん、って思ったんです」(美香さん)

娘のためにも、ここでくたばるわけにはいかん――。令子さんは、つらいリハビリに耐え、1年あまりで言葉を取り戻し、まひが残る右手で文字も書けるようになった。だが、懸命に闘う西山親子の前に、突きつけられる現実は厳しいものだった。

’11年、3月30日、大津地裁第1次再審請求棄却。5月23日、大阪高裁即時抗告棄却。8月24日、最高裁特別抗告棄却。


輝男さんは、「最後まで闘おう」と誓った美香さんとの約束を果たすため、第2次再審請求に向けて力になってくれる弁護士を探し始めた。しかし、自白を覆すための弁護を引き受けてくれる弁護士は、なかなか見つからない。最後に訪ねたのが、現在、弁護団長を務める元裁判官の井戸謙一氏だった。井戸弁護士は、当時をこう振り返る。

「私も最初はむずかしいと思いました。でも、記録を読み込むと、警察の捜査に都合がいいように、供述を変えさせられていた。美香さんは“無実”だという確信を持つようになりました。

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