2023年6月11日 12:00
役所広司主演『THE DAYS』プロデューサー、監督のコメント到着 撮影現場を収めたメイキングカットも公開
第4話と5話を手掛けた中田監督は、見えない恐怖=放射能を描くために、「空気中にきらきら光って漂う粒子を撮りました。もちろん、これは放射線の映像的なメタファーです。それと効果音に蚊の羽音のような音を加えるようお願いしました。そのような不快な音を使えば、視聴者に危険な事態が進行している感覚を無意識のうちに伝えられると思ったからです」と語る通り、キャストへの演出だけではなく、視覚、聴覚的な表現を駆使して放射能の恐怖を描いた。
さらに注目なのは、全ての電源を失った福島原子力発電所内の描写だ。歩くのも恐怖を感じるほどの暗さの中で撮影した建屋内のシーン。プロデューサーの増本は、映像の質感を高めるため、カラーリングや暗さをとことん追求した。「電源を失った中央制御室や建屋内は本当に真っ暗だったんです。
しかも現場の人たちは、視界が狭くて息苦しいマスクを着け、あの真っ暗闇の状況に置かれていた。それがどれほど人間の体力を疲弊させ、思考力を奪い、なおかつ恐怖を増幅させるかということを、視聴者に感じてほしかった」と、事故に対峙した人々が感じたであろうリアルを全世界の視聴者に追体験してもらえるドラマに仕上げた。