くらし情報『文化としての「遊び」とはどのようなものだったのか? 『遊びの美』12月17日より開催』

2022年12月6日 12:00

文化としての「遊び」とはどのようなものだったのか? 『遊びの美』12月17日より開催

重要美術品《桜下蹴鞠図屏風》(右隻)日本・江戸時代17世紀 根津美術館蔵


日本と東洋の多彩な古美術コレクションを誇る東京・港区の根津美術館では、12月17日(土)から2023年2月5日(日)まで、文化としての「遊び」をテーマに館蔵品を紹介する展覧会が開催される。

同展が注目するのは、歴史に目を向けて見れば、遊びとは単なる遊楽ではなく、必要な教養を高めることや、求められる技芸を磨くことなどにも直結していたという点だ。

たとえば、平安時代の公家が興じた「歌合(うたあわせ)」は、左右に分かれて和歌を詠み、優劣を競い合うもの。遊びであると同時に、歌を詠むことでコミュニケーションをはかり、また必須の教養だった和歌の上達に努めることにもつながったという。同時代に公家の間で盛んだった蹴鞠(けまり)も、屋外で楽しむスポーツだったものが、やがて鞠道(きくどう)として形式が整えられ、ひとつの技芸となっていく。

武家社会になると、乗馬や弓矢の技術を競う「犬追物(いぬおうもの)」や狩猟は、武芸の鍛錬という役割をもち、また江戸時代の庶民にとっては、娯楽や観光もかねた祭礼への参加や社寺参詣は、共同体の結束を高め、見聞を広めることにも寄与したという。

楽しみとして日々の暮らしに潤いを与えると同時に、社会の中でより良く生きるための術を身につける手段でもある遊び。

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