2023年3月20日 18:00
【ライブレポート】TOKIO TOKYO2周年記念フェス『ONE WEEK WONDER’23』ファイナル公演
予定調和に陥らない。常に誰かが仕掛けてくるような緊張感と、そこに全力で乗ってユーモアも交えるように返していくバンド感の塩梅が絶妙だ。
若いバンドながら、各メンバーともに様々なバンドやプロジェクトでも名をはせる手練れ揃いのBREIMEN。それでいてMCで喋りはじめるとわちゃわちゃとしながら脱線してしまう、そんなユルさがフレンドリーだったりする。
バンドの醸す空気感がステージからフロアに漏れ出して、会場もまた心地よいムードだ。そこに響かせたのが、エフェクティヴな多重ボーカルと隙間を生かした詩的なアンサンブルが魅力の「noise」。いけだゆうだによるジェントルなピアノと繊細なサトウカツシロのギター、ジョージ林によるフルートやサックスが歌に寄り添い、ゆったりと時を編み上げていく曲に会場も静かに聞き入る。その余韻から、ドラマティックにボリュームをあげていったのは「チャプター」。
ヒリヒリとした低温の空気から、So Kannoのドラムが躍動してシーンを動かしていく。うねりのあるアンサンブルと、明滅するライティングとが呼ぶ恍惚感が会場を駆け抜けていく間にメンバーは去り、興奮と残響が残った。マジカルなステージに、歓声が沸く。