2021年8月4日 17:00
吉田鋼太郎「蜷川さんの芝居が見たい」 舞台『ムサシ』再演へ
撮影:石阪大輔
2016年に亡くなった演出家・蜷川幸雄氏の代表作『ムサシ』が2021年8〜9月、蜷川氏の七回忌を前にした追悼記念公演として再演される。本作は、劇作家・井上ひさし氏が書き下ろし、命の尊さ、復讐の連鎖を断ち切ることの大切さを描いた作品で、2009年初演。以降シンガポールやニューヨークなど海外でも上演されてきた名作舞台だ。
「普遍性のあるテーマを描いていて、蜷川幸雄と井上ひさしが初ダッグを組んだ記念すべき作品。蜷川さんの後期の演出の代表作だとも思うし、全てがそろっているよね」。初演から出演し、今回は演出も手がける吉田鋼太郎は話す。
繰り返し上演してきたため、キャストは「セリフが体に入っている」状態だというが、「(藤原)竜也が劇中の武蔵とほぼ同年齢になった。どんな進化を見せてくれるか。
どれだけ芝居が深くなっているか。楽しみ。(溝端)淳平もだいぶ腑に落ちてきた頃で、これからもっと自由に、さらに威勢の良い小次郎を見せて欲しい」と期待を寄せていた。
彩の国シェイクスピア・シリーズなど、蜷川氏の演出を受け継いできた吉田だが、本作の演出は初めて。「僕の色を出すとか、ここはちょっと変えてみようとか、そういうことは一切ない。