2023年12月25日 12:00
大ヒット韓国爆笑コメディ『宝くじの不時着』──これはケッサク!【おとなの映画ガイド】
という想像をふくらませ脚本化したという。
宝くじ交渉は、賞金を得るまで南北の兵士を人質として交換するという、思わぬ方向に!
そこからはもう、異文化交流“あるある”の怒涛の展開。流行ネタから始まって、愛の不時着を思わせる純愛あり、換金時の珍事件ありの、てんこ盛りだ。
それにもまして面白いのは、南北間の緊張をバックにした小ネタの数々と絶妙なタイミングの伏線回収。どれも、今言ってしまっては楽しみが薄れるので、こんな表現しかできないのが残念。徴兵制のある韓国ならではのギャグは日本人でも笑えるくらいだから、こりゃ韓国じゃ、大ウケだっただろうな。
でてくる北の兵士たちは、これまでの社会主義ガチガチの堅物たちといった描き方ではない。韓国やアメリカのエンタメの知識があったり、ディスり方もえぐかったりする。冗談も言う。考えてみれば、当たり前の国民なのだ。デジタルにも相当精通している。
例えば、JSAでの条件交渉中。南側はプランを説明するのに手書きの模造紙を使用するが、北側は「我々は“強点(ツヨテン)”で提案する」といって、プロジェクターを取り出す。“強点?”と思っていると、これが“パワーポイント”のプレゼンだったりして。