『バットマン』&『ダークナイト』シリーズは悪役(ヴィラン)で見る!
21世紀に入ると、アメコミ映画は、全体的に現実味のある方向に振れていったから、ノーラン版3部作がシリアスになるのは必然だったのかもしれない。
村山ノーランは真面目な監督ですからね。その真面目さが功を奏したのが『ダークナイト』だと思います。理詰めてドラマを作っていったら、ジョーカーというキャラクターとして面白いサイコパスが出来上がった。
『ダークナイト』
相馬そういうアナーキーなサイコパスを世界が待っていたからこそ、記録的なヒットとなったわけだしね。
── こうして見ると、バットマン映画の進化から時代の変遷が見えてきて面白いですね。
村山そうですね。実際、ジョーカーをとってみても、ジャック・ニコルソンのジョーカーは当時はとてつもなく魅力的でカリスマ性のある悪役でしたが、今見ると薄っぺらく見えなくもない。
それはおそらく、ヒース・レジャー、ホアキン・フェニックスがジョーカーというキャラクターに深みを与えてきたからですよね。女性のキャラクターの描き方にしても、最初は添え物的だったのが、どんどんキャラクターに深みが出てきています。
『ジョーカー』
相馬確かにアメコミ映画自体が、『バットマン』以降、成熟を続けてきたのは間違いない。