くらし情報『【レポート】スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』上演中。隼人、團子、米吉の新世代で見せるスペクタクル。』

2024年2月9日 11:15

【レポート】スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』上演中。隼人、團子、米吉の新世代で見せるスペクタクル。

では、赤い大きな旗を振り回しながら火の海で戦う姿を見せる。しかも、そんなエンターテインメントに徹した場面を見せながら、同時に、その戦いにはいったいどんな意味があるのかと、タケルに、そして観客に、問いかけてくるようなシーンも現れるのである。

【レポート】スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』上演中。隼人、團子、米吉の新世代で見せるスペクタクル。


なかでも、タケルと旅を共にした弟橘姫が犠牲を払う場は、米吉が表現する弟橘姫の強さが、勝ち続けて自信をつけていたタケルを慄かせる。大切な人を失って自分は何をしているのだろうかと。また、各地でタケルに敗れて散っていく人々も声を挙げる。野蛮な地を平定すると言いながら、大和の国のほうこそ野蛮なのではないか。それぞれの俳優たちからあふれるエネルギーが胸に迫り、勝っても勝ってもタケルの苦悩は続く。それを振り払うかのように太刀を振るタケル。
ますます磨きのかかった隼人の立ち回りが切なく美しい。

【レポート】スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』上演中。隼人、團子、米吉の新世代で見せるスペクタクル。


もうひとりのヤマトタケル役の團子は、この日は帝の使者を演じた。タケルが救われるような伝言をもたらす役割だ。その凛々しい立ち姿から、團子が演じるヤマトタケルへの期待が膨らむ。


【レポート】スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』上演中。隼人、團子、米吉の新世代で見せるスペクタクル。


舞台は、白い鳥になって翔ぶタケルの宙乗りで幕を閉じる。最後にヤマトタケルが語る“天翔ける心”に歌舞伎の未来も重なってくる。

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