2022年2月11日 12:00
『メトロポリタン美術館展』東京展ついに開幕! カラヴァッジョ、ルーベンス、フェルメール、モネ、ゴーギャン…心ゆくまで名画に浸るひとときを
《信仰の寓意》は、これまでに発見されている三十数点のフェルメール作品のなかで唯一の寓意画だ。寓意画とは、抽象的な概念や教えを神話や聖書の登場人物などを用いて表現したもの。キリストの磔刑の絵の前に座る女性は、信仰を擬人化したものと考えられており、地球儀を踏む動作は世界を支配するカトリック教会を示唆していると考えられている。そのほかにも、十字架や杯、床のリンゴやヘビなど、画面のなかには何かをなぞらえたものに溢れている。それらをひとつひとつ紐解いていくのもまた絵画鑑賞の楽しみのひとつだ。
ヨハネス・フェルメール《信仰の寓意》1670–72頃
ちなみに現在、東京都美術館で開催中の『ドレスデン国立古典絵画館所蔵フェルメールと17世紀オランダ絵画展』でもフェルメールの作品《窓辺で手紙を読む女》が展示されている。東京で2点のフェルメールが展示されているというまたとない機会だ。
近年の研究により、この時代のフランスでは女性画家が活躍していたことがわかってきたという。
本章ではマリー・ドニーズ・ヴィレーヌ、ならびにエリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブランの作品の展示も見逃せない。
左:エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン《ラ・シャ
第3章「革命と人々のための芸術」