2023年7月14日 18:00
二期会・椿姫に注目の新鋭オペラ指揮者が颯爽と初登場
上野の東京文化会館で、東京二期会のヴェルディ《椿姫》が13日に初日を迎えた。開幕前日のゲネプロ(公演直前の通し稽古)を取材した。
2020年2月に、《新制作》にて上演され、話題になったプロダクション。物語の見せ方は総じて正統的だ。ただし、巨大な椿の花弁が設えられた非現実の幻想的な舞台美術と、19世紀イメージのリアルな衣裳が、不思議な好バランスを生んでいるのは独自の感覚(装置:松井るみ、衣裳:前田文子)。
第2幕第2場(フローラの夜会)からは天井に鏡が吊られ、ステージを俯瞰する視点が加わるのも面白い。その夜会シーンでは宝塚出身者を含む男女10人のダンサーによる妖艶でエキゾティックなダンスも見どころとなっている。
大きな注目が新鋭オペラ指揮者アレクサンダー・ソディーの日本でのオペラ・デビュー。公演チラシには「カルロス・クライバーの再来!」の見出しも躍る。1982年英国オックスフォード生まれ。現在マンハイム国民劇場音楽総監督を務め、目下、欧米の名門劇場を席巻中だ。昨年の東京・春・音楽祭で初来日(東京都交響楽団とのマーラー交響曲第3番)。
若々しい颯爽としたテンポでぐいぐい引っ張るかと思えば、旋律や言葉に寄り添ってたっぷりと歌わせる。