2023年7月14日 18:00
二期会・椿姫に注目の新鋭オペラ指揮者が颯爽と初登場
小節単位で緩急自在という印象のドライブにドキドキ。メリハリの効いた演奏は「再来!」の呼び声もなるほどと思わせる。第2幕のヴィオレッタとジェルモンの二重唱は圧巻だ。次々に登場する新しい楽想が二人の心情の移り変わりを描く名シーンを、切迫感のある表情で濃厚に表現していた。
この日のゲネプロは7月15(土)、17日(月・祝)出演のキャスト陣によるもの。主演のヴィオレッタは種谷典子(ソプラノ)。幕ごとに、鮮やかなコロラトゥーラから迫真のピアニッシモまでタイプの異なる歌唱が要求される難役を、華やかな声と繊細な歌い口で見事に歌い切った。第1幕のアリア〈花から花へ〉の最後は、聴かせどころとなっている(楽譜にはない)高音のミ♭も鮮やかに。
アルフレードは山本耕平。持ち前の2枚目な声と容姿が、見ていてちょっとイライラする田舎貴族のボンボンぶりにぴったりだ。東京二期会の《椿姫》は7月17日(月・祝)まで全4公演。全3幕の作品だが、25分間の休憩が1回だけ、第2幕第1場と第2場の間に入る。上演時間は約2時間30分(休憩含む)。
二期会創立70周年記念公演
東京二期会オペラ劇場「椿姫」
■チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2240981
7月13日(木)