未解決事件をモチーフに“感情のアクション”を描く。小栗旬、星野源出演の『罪の声』監督が語る
の数がすごいんですよ! これが重なり合ってひとつになった時にどんな色が見えてくるのかは、僕も最初から掴めていたわけではなくて、ひとつひとつ撮っていき、最後の最後にドキドキしながらひとつに束ねていきました」
監督が語る通り、本作は、前半は新聞社で働く阿久津と、幼い頃の自分の声が脅迫に使われたことを知ってしまった曽根がそれぞれの立場で事件を追い、関係者の証言を集め、事件の真相に迫る姿が交互に描かれ、やがてふたりは行動を共にするようになる。「このふたりが主人公ではあるんですけど、彼ら、特に阿久津は35年前の事件に直接的に関わっているわけではないので、ふたりが単なる“ストーリーテラー”になってしまわないように気をつけましたね」
しかし、本作は基本的に阿久津と曽根が関係者の話を集めてまわる物語だ。「そうなんです。話を聞くシーンが多いので意外に映画的な動きは少ないんですよ」
このままでは主人公がただただ座って相手役の話を聞いているだけの平板な展開になってしまう。しかし、土井監督は“感情のアクション”を描くことで本作に躍動感をもたらしている。
「ふたりが出会う人たちに心を動かされる。そういう意味でのアクションを起こせるのではないかと思ったんです。