くらし情報『2020年はVR演劇元年だった? VR演劇『僕はまだ死んでない』配信延長、原案&演出のウォーリー木下からメッセージも』

2020年はVR演劇元年だった? VR演劇『僕はまだ死んでない』配信延長、原案&演出のウォーリー木下からメッセージも

の作品とはやはり違うなとも思いました。どうやったら映像配信でもより演劇に近い臨場感を与えられるか……と考える中で、「お客さんが好きなところを観ることができる」「色々な人たちが一堂に集まって、個人個人の心の中でドラマを楽しむ」というのが演劇の魅力だと思いましたが、それに近いことを、360度カメラを体験した時に感じました。それがこの「VR演劇」の、もっとも演劇らしい部分のひとつかなと思います。

――完成した作品を観ていかがでしたか?

「終末医療」という重たいテーマであり、ズシリとも来るのですが、広田(淳一)くんの脚本によって軽やかな人間ドラマに昇華されていて、良い意味で他人事のようにも感じられ、その距離感がVRにとても合っていたと思います。終末医療というテーマについては、広田くんと何度もやり取りしながら作り上げました。日本では終末期の患者さんなどが、自分で死、すなわち生き方を選べない状況もある……という難しい現状があり、それに対して問題提起というか、自分が将来そうなった時にどうするんだろう、とも考えていますが。それを「当事者の話にしたい」という思いが広田くんと私の中にありました。

――今後、VR演劇でやってみたいことは?

たくさんあります。

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