2021年8月23日 17:00
市川海老蔵「古典への誘い」10年目突入で決意新た「自分としての挑戦、そして実験」
撮影:内田涼
歌舞伎俳優の市川海老蔵が8月20日、都内で取材に応じ、9月4日から全国16会場で上演する「市川海老蔵 古典への誘(いざな)い」に向けた意気込みを語った。演目は『通し狂言命懸歌舞伎ノ道筋三升先代萩(みますせんだいはぎ)』で、仙台藩伊達家のお家騒動を題材にした「伽羅先代萩」がモチーフになっている。
「伝統芸能を分かりやすく、多角的に味わっていただきたい」と海老蔵が企画した本公演で、2012年の開始から10年目に突入。「もともと七代目市川團十郎がやろうとしていたこと。市川團十郎の思想を組み込み、新しい形での『先代萩』をお見せできれば。本興行ですけど、かなり条件が厳しいなかでの自分としての挑戦、そして実験。そのような形での公演になるかなと思います」と決意を新たにした。
我が子を犠牲にして忠義を尽くす乳人政岡をはじめ、歌舞伎の様式美と荒事で魅せる荒獅子男之助、妖術使いの大悪人仁木弾正など、善人悪人を織り交ぜた主要な七役を早替りで勤めることに。
海老蔵は「早替わりもですけど、僕の中で一番の見どころは女形。乳人(めのと=乳母)政岡は大変重要なお役ですし、立役専門なので、女形のハードルが高くなっている。