ラックライフ『QUATTRO TOUR 2024』完走!「あなたが会いに来てくれたことがすべて」【東京公演/オフィシャルレポート】
前身バンド時代を含めて18年間、同じメンバーでバンドが続いているという奇跡にも近い現実が、ここまで美しいかたちで成り立っているのは、ライブハウスシーンにおいても大きな希望である。
エレアコに持ち替えたPONは、初日の名古屋公演にてライブでしか埋められない心のぬくもりがあることをあらためて自覚した旨を語り、目の前にいる観客のリアクション一つひとつが力になると続ける。「嘘っぽく聞こえるかもしれないけど、俺らはそういうバンドやったと改めて思いました」と話したあと、「どうしようもなかったときに作った曲」と歌い出したのは「あなたを」。PONは曲を書いた当時を思い返すように歌い始めたかと思えば、そのうち当時と今を重ねるように穏やかな表情を浮かべながら目の前の“あなた”に歌っていた。ロックバラード「名前を呼ぶよ」でPONが「歌って」と呼びかけると、じっくり聴き入っていた観客も歌で思いを伝え、迷いのない歌と音色がまっすぐ観客一人ひとりの心を射抜いた「軌跡」ではラストに盛大なシンガロングが起きる。「℃」ではPONが歌い始めてからマイクを離れ、ステージ前方で身を乗り出して歌うと、観客たちも彼の歌に自分の歌を重ねた。