“桜の季節の上野を舞台に実施される国内最大級のクラシック音楽祭”としての内容や位置づけはそのままに、あらゆる状況下においてもコンサートを届けたいという想いの下、全プログラム対象のライブ・ストリーミング配信(アカデミー講義を除く/有料)が行われる。これは会場に来られない方々にとっての朗報だ。さらには、巨匠リッカルド・ムーティによる「イタリア・オペラ・アカデミーin東京」で、昨年延期となったヴェルディのオペラ『マクベス』が取り上げられるなど、リベンジの準備も着々と進められている。
レコーディングに於いて大きな話題を呼んでいるのが、テオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナだ。昨年発売されたアルバム、ベートーヴェンの『交響曲第5番「運命」』の人気は凄まじく。残念ながら中止となってしまった春の来日公演を惜しむ声が未だに絶えない。そのクルレンツィスの新譜として4月に発売が予告されているのがベートーヴェンの『交響曲第7番』だ。クラシック業界待望の大ヒットアルバムに期待が募る。
“Withコロナ”の時代を標榜する2021年のクラシック界に求められるのは、“忍耐と革新”だ。