Noism Company Niigata設立20周年記念公演「Amomentof」。金森穣による2作品で踏み出す新たな一歩
セレネとはギリシャ神話における月の女神。月とその物理的影響力に興味を抱く金森は、自身の創作の主要テーマを「目に見えない力」とし、それを表現することこそが舞踊の本質という。音楽はマックス・リヒター編曲によるヴィヴァルディの〈四季〉。巡っていく季節、月、そして「見えない力」によって、想像力はフル稼働させられる予感。
本公演の演出ノートのタイトルに、「循環と一瞬」と掲げた金森。20周年記念公演のプログラムを決定する際、井関は「あくまでも現時点で『心の底から創りたいと思うものを』」と金森にお願いしたという。代表作の上演で過去の実績を総括することもできるけれど、ここであらためて新作を、しかも心の底から表現したいと願った作品を見せてくれる。ずっと前を向いて歩み続けたNoismらしい、未来を見据えた充実の舞台を堪能したい。
文:加藤智子
<公演情報>
Noism Company Niigata 20周年記念公演
「Amomentof」
【演目】
『セレネ、あるいは黄昏の歌』
演出振付:金森穣
音楽:Recomposed by Max Richter《Vivaldi: The Four Seasons》
衣裳:中嶋佑一
出演:Noism0、Noism1
『Amomentof』
演出振付:金森穣
音楽:Gustav Mahler《交響曲第3番第6楽章「愛が私に語ること」