2023年11月27日 14:00
【レポート】3人ならではの“愛すべきヤツら”『ミア・ファミリア』はカーテンコールまで見逃せない!
たった3人のキャストは目まぐるしく役を変え、芝居に歌にダンスに女装に客席降りにと八面六臂の活躍。俳優たちが汗をかきかき大奮闘する中で、彼らの素の魅力も見えてくる。笑いをたっぷりまぶしながらもキャラクターの心情を切々と歌い上げるナンバーもあり、しかしあくまでも賑やかに――“韓国小劇場ミュージカル”の王道のようなミュージカルだ。
しかも、演じる3人がなんとも可愛い。スティーヴィー役の植原はクールで隙のない立ち姿がマフィアらしい凄みを醸しだしながらも、時折みせるお茶目な行動がチャーミング。リチャードの平間は店と芝居を愛し、行き詰った状況をどうにかしたいと思っている真摯さがぴったり、ただしギャンブル好きだというダメポイントの抜け感もイイ。水田は、実は翌日に結婚式を控えていてアポロニア最後の公演どころではないオスカーを、調子の良い軽さと仕事を切り捨てきれない情の深さで絶妙に演じている。3人ともなんてピッタリで、“愛すべきヤツら”なんだろう! 日本公演前に韓国での上演を観た日本スタッフが「当て書きではないか」と口を揃えて言った、というのもさもありなん。
初日前の会見では、役にピッタリと言われることに「自覚はあまりない」