2023年5月8日 18:00
【ライブレポート】『Grasshopper vol.12』観るものの感情を揺さぶった3組の対バン パーカーズ×メとメ×板歯目
とゆーへー(Ba)は大きく頭を揺らし、飛び跳ね、庵原大和(Dr)は椅子の上に立ち上がる。狂ったようにライブを楽しむ3人がいた。『芸術は大爆発だ!』では、強い歪みでまるで音階を無くしてしまったようなギターが特徴的だ。赤い照明に照らされたステージが、『まず疑ってかかれ』では、曲の始まりから頭を揺らすような音の振動が伝わってくる。3人それぞれが自分の鳴らしたい強力な音をかき鳴らし、カオスでありながら、一体感のあるサウンドを披露した。
MCでは、力強い歌声から打って変わって、恥ずかしそうに言葉を発する。このギャップも板歯目の魅力の一部だろう。ライブであれば、うちに秘める熱い想いをぶちまけることができる。精神を解放するこの瞬間を大事にしているのだとまっすぐ伝わってくる。そうした想いを音楽に乗せて『くそったれ人生最悪の』でぶちまけた。続く『dingdong jungle』では、かわいらしいポップな歌声からがなりを含んだ歌声まで、多彩な表現力を見せる。曲中に聞こえてくる庵原の笑い声やシンガロングでの言葉のずれなど、全てが楽曲の表現の一部として機能していた。
続く『Ball & Cube with Vegetable』では、寸分の狂いもないドラムの技巧が光った。