【対談:岸谷香×藤巻亮太 前編】岸谷さんが歌い始めると付いていきたくなるんですよ。旗を振る力があるなあと感じました
そして、そのままリハーサルが始まっていって、驚きました。岸谷さん、耳が本当にいいんですよね。
岸谷いや、あれはヤケクソですよ(笑)。だいたいこのあたりだろうなって、勢いでバンって出ていくので、少し高かったりとか、低かったりすることがあります(笑)。その後、自己転調したり(笑)。
藤巻本当ですか?岸谷さんの歌って、人を引っ張る力があると思います。岸谷さんが歌い始めると、みんな、岸谷さんに付いていきたくなるんですよ。旗を振る力があるなあと感じました。
岸谷それは違うんです。言い訳していい?サウンドチェックをやっているつもりだったんですね。それで、ギターを弾きながら歌っていたら、ギターの真壁(陽平)くんがいきなりグィーンと入ってきたんですよ。それで、“あっ、この人、やる気なんだな”と思って続けたら、みんなが入ってきただけなんです。
藤巻いや、あの感じがかっこいいなと思いました。と同時に、やっぱり岸谷さんはすごいなと感じました。最初のリハーサルで、いきなりバンドの空気ができあがるというか、まとまるというか。岸谷さん、いつもそういうふうにされてきたんだろうなって。
岸谷いえいえ、そんなことはないんですけど、たまたまあの時は、“えっ、やるの?じゃあやろうよ”という感じになって。