【対談:岸谷香×藤巻亮太 前編】岸谷さんが歌い始めると付いていきたくなるんですよ。旗を振る力があるなあと感じました
――藤巻さんはその時、どう感じたのですか?
藤巻岸谷さんが気さくに声をかけてくださって、うれしかったです。ちなみにその時、僕がステージで使っていたのは、ストンプボックスというリズムを足で刻む楽器です。リズムも出しやすいし、お客さんも乗りやすいので、使うようになりました。挑戦し始めてまだ数年で、そんなに慣れていなかったので、岸谷さんに質問されて、恐縮してしまいました。
岸谷とても自然にやっていましたよ。その時も、そんなに時間はなかったんですが、いろいろな会話をしました。私は「粉雪」が大好きなので、「3人だけでやっていたのに、よくあんなに分数コードやテンションコードの多い曲を作りましたね」って、マニアックな話をしたり(笑)。
藤巻楽器や作曲の話をしてもらったことが、とてもうれしかったことを覚えています。
僕自身、分数コードを使うようになったのは、「粉雪」くらいからだったので、岸谷さんに言われて、改めて自分の曲について考えるきっかけになりました。
岸谷その時の藤巻くんの言葉、よく覚えてます。「3人しかいないからちょっと変なコードを探したりしているんですよ」と言っていて、なるほどと思いました。