2023年2月10日 18:00
【ライブレポート】カネヨリマサルデビューアルバムのリリースパーティーという特別なタイミングで見せた「ライブハウスでしか渡せないもの」の正体とは――
遅咲きやなって自分たちでも思う。すぐに結果なんて出るもんじゃないし、簡単に得られるもんじゃないってわかってる。だからね、メジャーデビューして大切なアルバムを出して、今ここにいるのがどんだけすごいことなのかっていうのをちゃんとわかってる。みんなのおかげ。私たちにできるのは、みんなの顔を見て、一人残らずみんなに曲を届けること。音源じゃなくてライブハウスじゃないと渡されへんもんが絶対あると思うから」
「背中」「ガールズユースとディサポイントメント」「息をしているよ」の3曲で本編が終了。この日、彼女たちが音楽で描き切ったものは、過去の思い出でも未来への夢でもなく、今この瞬間感じていることそのものだった。だからこの時のカネヨリマサルはもういない。
そうやってどんどん自分たちを更新しながら歩んでいく彼女たちの姿こそが「ライブハウスでしか渡せないもの」なのではないだろうか。
アンコールは「BOOK COVER」と「はしる、夜」の2曲。少しだけ、彼女たちの背中が遠くへ行ったような気がした。だから僕たちはまた新たな一歩を踏み出せる勇気をもらう。
Text:谷岡正浩Photo:yusuke_mphoto
<公演情報>
カネヨリマサル アルバムリリースパーティ「あの日見た、おんなじ月を今」