村上春樹原作『神の子どもたちはみな踊る after the quake』が開幕
村上春樹の小説を舞台化した『神の子どもたちはみな踊る after the quake』が、本日7月31日から東京・よみうり大手町ホールで上演される。原作は同名の短編集(2000年刊行)で、6編それぞれ、阪神・淡路大震災の惨状をテレビで観た人が、喪失感を抱えながら人生と向き合い、生き直していく様子が描かれている。
脚本は、2005年にアメリカで上演されたフランク・ギャラティ版で、6編から『かえるくん、東京を救う』と『蜂蜜パイ』の2編を取り上げて構成。同じく村上作品の舞台化として成功を収めた蜷川幸雄演出『海辺のカフカ』(2012年初演)もギャラティの脚本であり、実は本作も〈Ninagawa × Murakami〉の第2弾として企画されていた。蜷川の逝去で実現できなかったが、今回『わたしを離さないで』(2014年初演、カズオ・イシグロ原作)の脚本を手がけて蜷川を支えた倉持裕が演出にまわり、再始動した経緯がある。
注目は“かえるくん”を演じる木場勝己だろう。「3日後に東京を襲う地震」を食い止めるため、しがない銀行員に協力を求める体長2メートルの大カエルという奇想天外な役を、どう料理するか。彼が『海辺のカフカ』で演じた“ナカタさん”も、猫語を話したり空からイワシを降らせたりと寓意性の強い人物だった。
今回も味のある演技を見せてくれるに違いない。木場は語り手も担当する。
対する銀行員・片桐役の川口覚。彼はさいたまネクスト・シアター『2012年・蒼白の少年少女たちによる「ハムレット」』(蜷川演出)で瑞々しいハムレットを演じ、また倉持作品にも出演経験がある。片桐の他に、新聞記者の高槻としても登場するが、こちらは『蜂蜜パイ』に出てくる人物だ。バイタリティ溢れる男・高槻と、小説を書く男・淳平(古川雄輝)、そして小夜子(松井玲奈)をめぐる、甘酸っぱい青春を引きずった奇妙な三角関係が展開する。淳平は小夜子の娘・沙羅(子役・Wキャスト)が“地震男”の夢を見て不安がると聞き、蜂蜜を取るのがうまい熊のお話をしてなだめようとする。
災害で日常の生活が壊滅するのを目の当たりにすれば、直接の被害者でなくても心が痛む。
大きな災害が続く昨今、本作は多くの人の胸に響くのではないだろうか。ふたつの短編がどのように交錯してひとつの物語を紡ぎだし、テーマが浮き彫りとなるのか、倉持の演出に期待したい。文:仲野マリ
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