2022年6月28日 12:45
宮原浩暢「何が美しくて、何が醜いかを求め続けていきたい」 手塚治虫原作のミュージカル『アラバスター』上演中
(C)ミュージカル『アラバスター』製作委員会/岩田えり
ミュージカル『アラバスター』が、6月25日に東京・東京芸術劇場プレイハウスで開幕した。
本作は、美しく繊細な世界観に定評のある演出家・荻田浩一が長年温めてきた、知る人ぞ知る手塚治虫原作の『アラバスター』をベースとしたオリジナルミュージカル。主演をLE VELVETSの宮原浩暢、ヒロインの亜美役を涼風真世が務めるほか、古屋敬多、矢田悠祐、AKANE LIV、馬場良馬らが脇を固める。
原作は、1970年から71年にかけて『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて連載された同名漫画で、美しいものを妬む、人間の深い心の闇を鋭く描いたSF犯罪サスペンス。ミュージカルでは、人間の奥底に潜む“復讐・憎悪の心”と“歪んだ愛”を主題とし、欲望が渦巻く世界で翻弄される人々の運命が描かれる。
手塚は『手塚治虫漫画全集』のあとがきで「江戸川乱歩の『一寸法師』とか、『陰獣』などのようなグロテスクで淫靡なロマンを描こうと思って始めた」と記しており、その原作の世界観をキャストたちの熱演とプロジェクションマッピングで見事に表現。本作でも全編にわたって陰鬱な空気が広がる。