最涯の芸術祭、美術の最先端。「奥能登国際芸術祭2023」9月23日より開催
能登半島(石川県)の先端に位置する珠洲市全域で開催されてきた「奥能登国際芸術祭」。その3回目となる「奥能登国際芸術祭2023」が9月23日(土)〜11月12日(日)に開かれる。
三方を海に囲まれ、「さいはての地」とも呼ばれる珠洲は、かつて日本海に開かれた「先端」としての歴史があり、祭りや食など里山・里海の豊かな文化も残る農漁村だ。塩田千春、トビアス・レーベルガーら国内外のアーティストがこの土地と向き合い、これまでに制作された恒久展示作品に、今回は40組による新作が加わり、14の国と地域から計59組のアーティストの作品やパフォーミング・アーツが展開される。
2021年に旧小学校の体育館を改修し、珠洲市の家々に眠っていた生活用具の数々を民俗・人類学的視点から保存・展示する「スズ・シアター・ミュージアム」では、「珠洲の大蔵ざらえ」プロジェクトの中心となった南条嘉毅をはじめ、三宅砂織や竹中美幸ら気鋭のアーティストが生活用具に新たな命を吹き込んだ作品群も見られる。また、田中泯の「場踊り−歩む」(9月22・23・24日)、詩人の大崎清夏が珠洲の暮らしを採話して書き下ろした物語を、長塚圭史の演出、阿部海太郎の音楽のもと、常盤貴子が朗読する『さいはての朗読劇 うつつ・ふる・すず』(9月29・30日)の公演もある(チケットは完売)。
イラン生まれ、アメリカ在住のシリン・アベディニラッドは、漂着物であるシーグラスから発想し、かつての漁具倉庫でインスタレーションを行う。漁網を蔵の天井に張り巡らし、酒瓶のかけらに光を当て、床にカラフルな影を投影し、人間の存在の儚さを表現する。
ドニプロ(旧ロシア、現ウクライナ)生まれ、ロシア在住のアレクサンドル・ポノマリョフは、古いパーゴラ(東屋の支柱)のある場所に、地元の酒造所で使われなくなった酒タンクを利用し、帆柱、帆桁、帆網を駆使して船をモチーフとした音も鳴るインスタレーションを制作する。
また、アーティスト・コレクティブ「SIDE CORE」は、観客が実際に風力発電所に足を運び、土木やインフラをめぐる「空間や時間のスケール感」を体感するインスタレーションを展開する。
今年5月の奥能登地震で被災した珠洲市では、街の復旧を進めながら、会期を変更して芸術祭の準備を進めてきた。応援を込めてぜひ訪れてほしい。<開催情報>
「奥能登国際芸術祭2023」
会期:2023年9月23日(土)~11月12日(日)
会場:石川県珠洲市全域(247.20km²)
休館日:木曜
パスポート料金:一般3,300円、大学1,650円、高中小550円
公式サイト:
https://oku-noto.jp
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