新国立劇場バレエ2024/2025シーズンは『眠れる森の美女』で開幕。初演から10年の熟成の舞台に注目
トゥール・ヴァン・シャイクによる洗練された色彩豊かな衣裳、川口直次による格調高く豪華絢爛な美術も、上質な古典バレエの舞台でしか体験できない、重厚で奥行きある世界を生み出し、観客を魅了する。
新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』より(撮影:鹿摩隆司)
2014年の初演ののち、たびたび上演を重ねてきたイーグリング版『眠れる森の美女』。直近の上演は2021年2月、コロナ禍の不安の中での4公演の実施だったが、今回は全12公演。オーロラ姫を演じるのは、ゲストの佐々晴香(ベルリン国立バレエ プリンシパル)に、小野絢子、木村優里、柴山紗帆、池田理沙子、廣川みくり。デジレ王子役には、井澤駿、奥村康祐、速水渉悟、福岡雄大、渡邊峻郁の5人のダンサーが名を連ねる。このうち柴山、廣川、速水は初役、フレッシュな演技が期待される。さらに、『眠れる森の美女』は数々のダンサーがソリストとして活躍するのも大きな見どころに。初演から10年。
ゆるやかに世代交替を重ねながら、この作品を熟成させてきた新国立劇場バレエ団の、層の厚さ、多彩な個性が前面に出る充実の舞台が期待される。10月25日(金)の開幕が、待ち遠しい。
文:加藤智子
<公演情報>
新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』
振付:ウエイン・イーグリング(マリウス・プティパ原振付による)