2023年3月17日 17:00
【ロングインタビュー】高橋一生×松たか子×野田秀樹スペシャル鼎談 NODA・MAP新作『兎、波を走る』に迫る!
アリスの世界ですから。ただ、アリスの世界が、アリスの話のように進まないので……っていうようなことかな。
――高橋さんがおっしゃったように、寓話のような世界だけれど、見ていくうちに私たちが生きる現実世界とリンクするとか。高橋……そうだと、思います。そういうふうに視点を少しだけシフトしながら観る方もいらっしゃるのではないかとは思います。
松そういったアリスのようなおとぎ話の世界もあり、現実世界ももちろん出て来るんですけど、私個人にとっては現実なんだけど、知らない世界だったり…。現実にあるということを、信じろ!って言わないと分からないくらいの現実が、まだあるな、という感覚。それを突きつけられると、うわ〜それを現実と思わなきゃいけない!?って持っていかれちゃうので…。
どこまでファンタジーで、どこまで現実で…というのが、私は読んだだけではまだ分からないことがいっぱいで、すごく頭の整理がつかない感じでワークショップを終えたので(笑)、台本はいったんスタッフの方にお返ししました。もう持っているのが怖くて、「一回ちょっと出直します!」みたいな気持ちで、とりあえず返そうと。ちょっとまだ受け止め切れない…、そんなふうに感じて、楽しいワークショップを終えました(笑)。