風間俊介「僕が演じるトムは社会の象徴」 主演舞台『モンスター』開幕
慢心せず臨みたいです。
普通の教育、家庭、食事、など“普通”という言葉が多く出てくる作品です。その言葉を使ってあたかも自分だけは異常じゃないと主張する大人の登場人物は、一筋縄じゃいかない人間を表しています。普通を振りかざして自分は普通だと言い切ることはある種の暴力なのではないか、無意識で線引きを容易く行うのは残酷なことなんじゃないかと、様々な思考ができる作品は魅力的だと思います。
物語を通して、自分や周りを知って見つめてもらえたら幸いです。宜しくお願いいたします。
■ジョディ役:笠松はる コメント全文
いよいよ開幕。今はワクワクヒリヒリと痛痒い感覚です。
地元大阪での開幕も大変嬉しいです。
初めてこの台本を読んだ時に見えた景色から、稽古中どんどん作品の読み方が変わっていきました。特に、稽古中盤に演出の杉原邦生さんが仰った今演出の方向性を示す言葉は、現代に生きる私自身の心にも沁み渡るようでした。以降ずっとその方向性を心に、ジョディとしての在り方を模索してきました。
『モンスター』は言葉がはっきりと明示されていない分、演じるカンパニーの数だけ作品のメッセージがあるような不思議な戯曲です。そして、私はこのカンパニーで『モンスター』に参加できたことを誇りに思います。