くらし情報『外山啓介が語る恒例のサントリーホール公演。「新しい可能性を自分で開いていく気持ちで」』

2022年9月9日 12:00

外山啓介が語る恒例のサントリーホール公演。「新しい可能性を自分で開いていく気持ちで」

今回は、自分の次の扉を開いてみたいという気持ちで取り上げることにしました。ベートーヴェンにとってピアノソナタは大切なジャンルのひとつで、その時の心情をのせた、いわば自分の身代わりのような存在だったのではないかと思います。後世の作曲家にも多大な影響を与えました。絶対に知っていなくては、先に進むことができません」

そんなベートーヴェンのソナタに関連させる形で、モーツァルトとショパンのソナタも選んだ。
「モーツァルトのピアノソナタ第11番《トルコ行進曲付き》は、1楽章が変奏曲で書かれているところなど、ベートーヴェンの葬送に影響を与えたと言われる作品です。

また、ショパンの葬送からは、ベートーヴェンの葬送を意識していることが感じられ、改めて弾いてみると、特に4楽章など指のまわり方がよく似ています。一方で興味深い違いもあります。以前ある方から、国や宗教によって死への価値観が違う、死は全てから救われて苦しみのない世界にいくことだと認識されている地域もある、と聞きました。
葬儀の行進にも、行きは暗い音楽、帰りは明るい音楽を奏でる文化があるそうです。

今回取り上げるふたつの葬送には、どちらも天国への憧れ、現世の苦しみからの解放という意味があると思います。

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