2022年9月9日 12:00
外山啓介が語る恒例のサントリーホール公演。「新しい可能性を自分で開いていく気持ちで」
ただショパンのほうは、解放された先が人間には触れられない天上の出来事、一方のベートーヴェンは、もう少し現世の感覚に近いというか、騒がしさや華やかさがあって、捉え方の違いを感じます」
「演奏することを楽しみたいし、みなさんにも楽しんでいただきたい」
外山啓介 (c)Yuji Hori
後半はそんなショパンの「葬送」につなげる形で調性を意識し、プレリュード「雨だれ」(変ニ長調)、ノクターン第7番Op.27−1(嬰ハ短調)、第8番Op.27−2(変ニ長調)を弾く。
「変ロ短調のソナタの前には、平行調で書かれたOp.27-2のノクターンを置きました。もともとこのノクターンはすごく好きな作品。さらに平行調は似て非なるもので、背中あわせのようなところもあります。Op.27のふたつのノクターンの調性的なつながりも気に入っています。
プログラミングの可能性は無限大で、逆にある意味すごく難しいのですが、僕は調性につながりのあるものが一番きれいだと感じるのです」
マスターピースといわれるショパンの「葬送」については、どう自分の解釈を見つけていったのだろうか。
「昔から、何かが燃えさかるようなところのある曲だと感じていました。