2022年1月7日 17:00
上野水香「いつもと同じようにすべてを懸けるだけ」 東京バレエ団最後の『白鳥の湖』にむけて
「違うジャンルに挑戦することで、バレエに貢献していきたい」
――そんな『白鳥の湖』に東京バレエ団で主演されるのは、今回が最後になるそうですね。
現行のバレエ団の定年制度だと、私が定年を迎えるまでに「白鳥」を上演するのは今回が最後というだけで、最後にすると私が決めたわけではないんですよ。自分の中では、「白鳥」はこれからも深めていきたい作品。ただ先のことは分からないですし、私は今までもずっと、毎回「明日死んでもいい」くらいの気持ちで踊ってきました。その気持ちは今回も変わらないですし、これがもし自分で決めた最後だったとしても、いつもと同じようにすべてを懸けるだけだと思います。
――「明日死んでもいい」というほどの強い思いは、一体どこから来るのでしょう?
日本のバレエ公演って、本番が1回とか2回きりということが多いじゃないですか。本番に向けて練習して練習して、やっと辿り着いたと思ったら翌日にはもう終わってる(笑)。この間初めてミュージカルに出演して、32回も本番があるというのを体験した時、感覚がだいぶ違うなと改めて思いましたね。
32回あるのに、明日死んだらやっぱりまずいですから(笑)。