2022年5月17日 12:00
tofubeats、4年ぶりのアルバムと初の書籍を語る「耳が聞こえなくなった時に、鏡が気になるなって」
tofubeatsさんにはDJ、サウンドプロデューサー、そしてアーティストといった顔がありますが、特にこの2年間で言うとDJの比率はグッと下がりましたよね。そこが今回のアルバムに影響した部分というのはありますか?
それはすごくあると思いますね。DJの現場をあまり意識せず制作したので、ライブっぽい曲が少ないなあって改めて感じてます。大勢の前でかけるということを全然想定していなかったというか、そういう変化は如実に全編にわたってありますね。
――いい意味でそこが作用したという側面もありますよね?
そうですね。このアルバムでやったようなことを思いっきりやれる時代が今から先にあるのかなって考えたら、老後とか、あとは本当に耳がダメになった後とかになるんだろうなって思ったりしたので。今の年齢でこういうテイストの作品を1枚作れたということは貴重だし、置いておく意味があるなと思ったんですよね。もちろん一生懸命クラブっぽいものを作ることも可能だったんですけど、逆にせっかくこの状況だしっていう感じも結構あったと思います。
――もうひとつ大きな変化で言うと、生活の拠点を神戸から東京に移されましたよね。『REFLECTION』全編を通して感じるのは、平坦な都市の中を散歩しているようなイメージなんですけど、この拠点の変化は作品に影響を与えましたか?
いやそれが、スタジオができたとかっていうツール的な変化は感じるんですけど、地理的な変化をあまり感じなかったっていうのが正直なところなんですよ。