2022年4月5日 18:00
【ライブレポート】ルサンチマン、無限の伸びしろを感じさせるFEVERでの2ndシングルリリースライブ
って大切なあの子どこ行ったの?》という歌い出し。このフレーズだけで、主人公の“僕”が置かれている状況、どうしようもない感情が真っ直ぐに伝わり、胸を締め付けられるのだ。
個人的にもっとも心に残ったのは、やはりニューシングルの「収束する未明」。
おそらくコロナ禍を背景にしたこの曲は、“大切な物が減っていく”社会の現状や、離れていこうとする“君”の思いを綴っている。きわめてパーソナルな内容だが、この歌にはまちがいなく、聴く者の共感を呼び起こし、感情を揺さぶる力がある。そのことをもっとも感じられるのは言うまでもなく、ライブという場所だ。
ここで強調しておきたいのは、ルサンチマンのライブは決して暗くもなければ、切なくもない。楽曲の中心にあるのは、葛藤や不満、憤りだが、それを生々しいバンドサウンドと歌によって解き放ち、圧倒的なカタルシスに結びつけているのだ。
それこそがルサンチマンの真骨頂であり、急激に注目度を高めている理由なのだと思う。
実際、ステージにいる4人はずっと楽しそうで、無邪気に音を鳴らしまくっていた。この自然な姿もまた、このバンドの魅力なのだろう。
もぎ(Ds)
「卒業」