「兵士と一緒に戦争を“体験”する映画」、サム・メンデス監督が“全編ワンカット”の『1917 命をかけた伝令』を語る
観客にはワンカットの映像であることも忘れて、彼らの旅に同行してもらうことが私たちの目的だ。ロジャーは見事、そういう映像にしてくれたよ」
その危険だらけの旅の途中で出会い、ふたりの新兵を助けるのはベテラン兵たち。彼らのひとときのふれあいが物語をより豊かにしている。しかも、ベテランを演じているのは実際にベテランのコリン・ファースやベネディクト・カンバーバッチら、日本でも人気の高い英国男優たちだ。
「私は自分の直感を信じる方なのかもしれない(笑)。というのも主人公を演じるジョージ(・マッケイ)とディーン(=チャールズ・チャップマン)はオーディションでひと目見たときにピンときて決めたんだ。そして、ベテランたちの配置もやっぱり直感だった。コリン(・ファース)だけは脚本を当て書きしていたけど、あとのマーク・ストロングやベネディクト、アンドリュー・スコットたちは直感だよ。
撮影していて、我ながらなかなか上手いキャスティングだと思ったくらい、気に入っている(笑)」
撮影方法や映像が取りざたされる映画だが、実はキャスティングも絶妙。彼らが織り成すドラマも感動的なのだ。
「この物語は私の祖父から聞いた話をベースにしている。