2024年2月15日 12:00
安藤サクラ『マティス展』との“不思議な縁”を語る 「ロザリオ礼拝堂は心躍る、忘れられない場所」
さらに、室内装飾から調度品にいたるまでほとんどのデザインを手掛けたニース郊外の小さな村、ヴァンスにある「ロザリオ礼拝堂」内部をほぼ実寸大で再現した空間も圧巻だ。
展示風景より「ロザリオ礼拝堂」の再現展示(C)Succession H. Matisse
「礼拝堂って自分にとって身近な場所ではないので、訪れるときはいつもちょっと構えてしまうところがあったんですけど、ロザリオ礼拝堂に入ったときは、自分の固い部分が全部解き放たれるような感覚があって。純粋に、軽やかに命を讃えてもらっているような気持ちになる、すごく心が躍る空間でした。言葉ではうまく表せないけど、自分にとっては忘れられない場所。だから正直、今回の再現展示にそこまでの期待を持てずに来たんですけど(笑)、実際に見たら“いや、すっごい!”って思いました。自分が現地で感じたような、入った瞬間に心がほぐれていく感じがそのままここにありました」
もうひとつの見どころが、実に4.1×8.7mという切り紙絵の大作《花と果実》。現在、マティス美術館のホールに展示されている本作は、同展のためにフランスで修復され、初来日を果たした。
アンリ・マティス《花と果実》1952-1953年ニース市マティス美術館蔵(C)