舞台『キオスク』出演、橋本さとしインタビュー 「僕たちがいるべき場所はここなんだ」と感じた日々
現実を目の当たりにはしましたね。真っ先に僕らの世界が、娯楽という世界が、切られていきましたから。
いただいた時間の中で、随分いろいろなことを考えましたし、今までできなかったこともできました。物質的にも断捨離をして、フリマアプリで小銭を稼いだりもしましたが(笑)、心の断捨離みたいなものもできました。なあなあで来ていたものが通用しないと気づきましたし、当たり前だと思ってやってきたことも、実は当たり前のことではなくて、すごく奇跡的なことだったと実感しました。ハートは強くなったと思います。
劇団☆新感線の舞台が途中で終わって、『ビリー・エリオット』が予定より2ヶ月遅れで始まって、やっと舞台に立てた時の劇場の空気。感染対策で、キャパの半分しかお客さんをお入れすることはできなかったんですけども、拍手が大きくて、満場の拍手をいただいた。
その瞬間に、僕たちがいるべき場所、立つべき場所は、ここなんだなと。不安になっていた部分は自信に変わりましたし、娯楽・エンタテインメントの必要性を感じて、それを信じることができました。
無駄と言えば無駄なのかもしれないけれど、無駄なことを必要と感じられる心の余裕や潤いって、人間が生きていく上でとても大事なことだと思います。