史上最大規模の『岡本太郎展』をレポート! 既成概念を打ち壊し幅広く活躍したその活動の全貌に迫る
作品が広く公開されることを望んだ太郎は、積極的にパブリックアートを手掛け、全国各地70ヶ所以上に設置されることとなった。第4章「大衆の中の芸術」では、パブリックアートやプロダクトデザインなど大衆に寄り添った太郎の姿を見ていく。
展示風景より
「殺すな」の意見広告は1967年にワシントン・ポスト紙に掲載された反戦メッセージ広告。「殺すな」の文字を岡本太郎が揮毫している。
「殺すな」意見広告 1967年 岡本太郎記念館蔵
第5章「ふたつの太陽―《太陽の塔》と《明日の神話》」は、岡本太郎の代表作となっている《太陽の塔》と《明日の神話》をあわせて紹介する。生物の進化、そして進化した人類が開発した核がそれぞれのテーマの二つの巨大プロジェクトは、同時進行で構想されていたという。
展示風景より
《明日の神話(ドローイング)》1967年岡本太郎記念館蔵
そして、最終章となる第6章「黒い眼の深淵—つき抜けた孤独—」は、80年代の作品を中心に紹介。絶筆となった《雷人》は未完の作品であるものの、力強い描線が印象的だ。
《雷人》1995年(未完) 岡本太郎記念館蔵
《午後の日》1967年 川崎市立岡本太郎美術館蔵
常に力強く、人々の心をひきつけてきた岡本太郎。